受診・お見舞い

手術部

手術部 部長 安原 洋

 

 

お知らせ

平成19年(2007年)1月4日から新中央診療棟2の手術室が稼動になり、その後、手術件数は毎年順調に増加しています。
平成27年の総手術件数は10,817件で、最近1、2年手術件数の増加は頭打ちの状態でしたが、今年に入って再び増加傾向に転じています。
平成19年4月2日から高画質術野カメラの画像を手術室から院内ネットワークシステム経由で、医局と病棟に配信しています。
平成23年11月1日から手術支援ロボットの運用を開始いたしました。
平成26年5月13日から中央診療棟2の手術室1室をハイブリッドアンギオ室に改修し、その運用を開始しました。
これからも、手術室運用のさらなる効率化、情報伝達のいっそうの円滑化を図り、安全で「患者さんとメディカルスタッフにやさしい」、先進的な手術環境づくりを目指します。

概要

手術部は入院患者さんと一部外来患者さんに対する定時・緊急手術が行われる施設です。
東大病院の手術部は、平成19年1月から中央診療棟2の手術室が稼動し、11室が追加されたため、稼働可能手術室が合計23室となりました。手術を取り巻く社会的環境が大きく変化する中で、東大病院は平成16年4月から独立行政法人化しました。それにより、中央診療部門として手術部が病院内で果たすべき役割は、ますます重要になってきています。
東大病院手術部における平成27年の年間手術件数は10,000件を超え、10年間以上にわたり全国の国立大学病院中でも、トップクラスの実績を維持しています。一方、手術手技や手術機器の急速な進歩により、手術は年々高度化・複雑化し、先進的な技術を応用した長時間手術も増加しています。東大病院手術部では、患者さんの健康回復とサービス向上を主眼に、安全で効率的な手術環境と医療の提供を目標に仕事を行っています。また、東大病院手術部は、手術医療に特化した教育・養成機関として、高度先進医療を支え、チーム医療を担う手術部で働くメディカルスタッフや医療人の育成にも力を入れています。

業務内容
1. 手術室の管理、運営

ますます増加する定時手術と救急手術が、安全かつ効率的に行われるよう、手術室の環境整備と手術を支援する職員の配置、手術で使用するあらゆる医療機器、医療材料の調達と管理を行っています。具体的には、物流システム導入で、安定的に器材や医療材料を現場に供給するとともに、職員の業務を標準化することでリスク管理を行っています。また、病院経営を視野において、手術室の経営的な収支把握や医療機器の整備にも力を入れています。
手術部の教員は、手術医療や手術環境整備に関する知識を背景として、手術部の管理、運営に関する高度な知識と技能を有した専門職員です。


2. 手術室の清潔環境の維持

手術が行われる手術室は当然清潔な環境が保たれていなければなりません。手術室の清潔環境を維持するためには、塵埃除去フィルターを介した手術室内換気、手術室内の温度管理、手術室内の清掃方法はもとより、手術室への患者、医師の入室経路、手術で使用する機器の搬入経路、手術に伴って発生する医療廃棄物の処理方法など多くの課題に取り組む必要があります。
専門分野の推奨業務、関連法規に則ってこれらの業務基準を維持することも手術部職員の仕事です。


3. 「手術医学」に関する研究

高度化、複雑化する手術に対応するよう手術を行う環境を維持していくには、背景となる学問的な裏付けが必要になります。「手術医学」は、手術の物的、人的環境やそこで行われる業務を専門的にあつかう分野ですが、東大手術部では、次のような課題について研究を行い、これらの研究成果をもとに先進医療や高難度の手術にもエビデンスに基づく対応を行っています。

○ 手術部内のリスク管理 、チェックリストやインシデントレポートによる医療安全の確保
○ 手術室稼動の効率化 、手術室の有効活用
○ 手術室の安全と効率を勘案した職員配置の提案
○ 使用医療材料からみた病院経営情報の収集と指標の作成
○ バーコードによる患者の個人確認 、医療事故防止
○ コンピューターによる術中患者監視装置開発、手術患者情報のIT化
○ 手術で使用する材料、機器の洗浄・消毒・滅菌法と周術期の感染制御
○ 顕微鏡、内視鏡手術の手術機器導入と手術支援
○ IT技術を用いた術野映像・画像の高度処理、共有化
○ 個体識別(UDI: Unique Device Identification)による医療機器管理情報の収集と病院経営指標の作成
○ 医療施設における手術室の環境工学、建築設計、先進手術室設計
○ 医工連携による手術用ME機器開発支援、電気安全工学


4. 医学部学生、研修医、手術部職員教育

手術部の運営、管理には、手術を安全、効率的に行うコミュニケーション能力と手術環境の維持に関しての専門的知識を有した人材が不可欠です。そのため、学生、研修医、手術部職員の教育には特に力を入れています。このような教育をとおして、医師、職員は手術を支援する環境の大切さを学ぶことができます。
医学部学生2年生(M2)を対象に、外科系統講義を行い、無菌操作、滅菌法、消毒法、周術期の感染防止法、周術期の栄養管理、生体反応などについて講義を行っています。また、外科系のベッドサイド教育が開始される前に、手術時手洗い法、ガウンテクニック、周術期感染防止法などについて実習指導しています。実習には、手術器械の洗浄・消毒・滅菌工程の見学も取り入れられています。
独立行政法人化とともに全ての研修医を対象に外科研修が必修化されました。毎年4月に、手術部を利用する全ての診療科の初期研修医を対象に、手術時の手洗い実習や手術部利用に関するオリエンテーションを行っています。
新人手術部専属職員に対しては、手術部の実務を通して、手術支援を安全、効率的に行うコミュニケーション能力の育成を行っています。また、診療各科からの専属職員も積極的に受け入れています。


5. 看護学生教育、手術部専属看護師養成

術者は、手洗い看護師、外回り看護師など手術室看護師の協力があって初めて円滑な手術を行うことができます。手術室看護師は、手術で使用される器械のチェック、カウントなどをとおして手術の安全にも貢献しています。手術部での仕事は、将来どのような看護の道に進んでも、きっと役に立つ貴重な経験になります。東大病院手術部は、看護部との連携のもと、看護師の教育にも力を入れており、ベテラン看護師に対しても、新人看護師に対しても、最良の教育プログラムを用意しています。新人看護師は、手術部で手術に係る経験をとおして、手術患者の周術期管理や心のケアなど病棟や外来の診療では体験できない看護の一面を体得することができます。また、ベテラン看護師に対しては、手術室看護師(認定看護師)の資格取得を支援しています。


6. 臨床工学技士、診療放射線技師、手術部技術職員の養成

高度化、複雑化する手術では、先進的な精密医療機器への依存度が今後ますます高くなると考えられます。そのような手術において、臨床工学技士、放射線技師はこれまで以上に重要な役割を果たします。東大病院手術部は、医療機器管理部、放射線部との連携のもと、臨床工学技士、診療放射線技師養成のためのフィールドを提供し、その教育を支援しています。また、東大病院手術部は、材料管理部と緊密に連携し、滅菌技士のためのフィールドも提供し、その育成を支援しています。

組織紹介

東京大学医学附属病院手術部の紹介
東大病院手術部は、昭和30年7月に大学病院の手術室を中央化する目的で、わが国で最初に設立されました。開設当初、昭和62年12月まで、手術部は旧外科病棟3階および4階に設置されました。昭和62年10月には、東大病院改築の第Ⅰ期計画で新たに建設された中央診療棟1の4階に手術室12室と付属室が完成したため、新中央診療棟(現中央診療棟1)の4階に移転しました。

その後、平成13年7月に本院と分院が統合され、同年9月には新入院棟開設により、手術件数急増が予想されたため、平成13年10月から新中央診療棟(第II期部分)が完成するまでの措置として、従来の手術室12室に加え、新入院棟4階のICU・HCU処置室を15号室、外来棟1階の整形外科外来手術室を16号室として中央化して手術室として使用しました。16号室では、その間は、整形外科の外来手術も併せて行いました。平成19年1月よりは、中央診療棟2の手術室が稼動し、手術室は合計23室(稼働手術台24台)となっています。

手術列に関しては平成13年9月までは9.2列/日でしたが、その後12.5列/日となり、平成19年1月には、14列/日、平成19年6月には、16列/日、平成20年5月には18.5列/日となり、平成21年10月には、一部外来手術を含めて19.5列/日、23年7月には、20.5列/日となっています。平成23年11月1日からは手術支援ロボットの運用を開始いたしました。その後中央診療棟2の11号手術室の改修を行い、平成26年5月13日からはハイブリッドアンギオ室の運用を開始しました。現在は、定時手術枠20.5列(週2日21.5列)/日、臨時・救急手術枠はこれとは別に1列/日で、23室全ての手術室を使用しています。
年間総手術件数は、平成17年8,013例、平成18年8,322例、平成19年9,374件、平成20年9,868件、平成21年9,957件、平成22年10,206件、平成23年10,262件、平成24年10,653件、平成25年11,173件、平成26年11,133件、平成27年10,817件と過去10年間で約1.4倍になっています。
昨年より、手術室の利用状況を調査し、さらに効率的な部屋利用のために、「午後オンコール枠」運用を開始しました。

手術を円滑に運用するためには手術部内だけでなく、手術を支援する看護部、材料管理部、検査部、感染制御部、医療機器管理部、放射線部など他部門との連携が不可欠です。手術部の准教授は材料管理部部長を併任しており、医療機器の洗浄・消毒・滅菌に対して常時緊密に情報が共有できる体制にあります。毎日多くの手術が行われる手術部では、多数の術中検体検査も実施されます。当手術部では、検査部より毎日臨床検査技師が派遣され、迅速な検査結果が届けられるよう努めています。感染対策においては、感染制御部とも連携し、いつでも感染対策を実施することができる体制にあります。

現在の手術部の構成は、部長、副部長、専任講師、非常勤講師、各1名、助教1名、看護師長1名、主任副師長2名、副師長4名、看護職員82名、職員5名となっています。さらに、薬剤部より薬剤師1名、医事課より医事課職員2名、検査部より臨床検査技師1名、医療機器管理部より臨床工学士4‐5名が、連日手術部へ派遣されています。

安原  洋 教授(部長)
深柄 和彦 准教授(材料管理部部長)
小松 孝美 講師(副部長)
福島 亮治 非常勤講師
村越  智 助教(材料管理部)
斎藤 祐平 助教
上寺 祐之 特任研究員

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