研究グループ4詳細(臨床・研究)鼻チーム

鼻外来

チーフ:近藤健二

メンバー:平野真希子、菊田周、西嶌大宣、籠谷領二、安原一夫

鼻チームでは鼻副鼻腔疾患全般を扱っている。鼻外来は毎週金曜日の午後行っており、日本耳鼻咽喉科学会専門医の資格を持つ医師を中心に5名~6名の医師が診療に当たっている。

鼻チームでは、アレルギー性鼻炎、慢性副鼻腔炎、嗅覚障害など鼻症状にかかわる疾患全般を扱っており、保存的治療で改善しない場合は、手術も積極的に行っている。

  鼻外来の新患数はおよそ年間200名であり、延べ患者数は年間2000名を超え、年を追って増加傾向にある。年間約100例の嗅覚検査を行い、入院と外来をあわせ年間約150例の内視鏡下鼻副鼻腔手術が行われている。 

外来では保存的治療の方法として慢性副鼻腔炎対するマクロライド少量長期投与や好酸球性副鼻腔炎に対する抗ロイコトリエンやステロイド治療などが行われている。嗅覚障害に対しては従来のステロイド点鼻などの他に、近年では積極的に漢方薬の使用や、嗅覚のリハビリを推奨したりとそれぞれの疾患の病態にあった最適な治療法が選択されている。

外来では内視鏡検査のほか、嗅覚検査(T&Tオルファクトメーター、アリナミンテスト)、鼻腔通気度検査などが行われている。また日帰り手術として、炭酸ガスレーザーでの鼻粘膜焼灼術、下鼻甲介粘膜下電気凝固術、マイクロデブリッターシステムを用いた局所麻酔での鼻茸切除手術、副鼻腔嚢胞に対する鼻内開放術等を行っている。

入院による全身麻酔下での鼻の手術は通常5日程度の入院で行われている。手術の内訳として、慢性副鼻腔炎に対する手術が最も多く、その中でも最近は特に好酸球性副鼻腔炎の症例が増加している。そのほか、鼻中隔矯正術、下鼻甲介切除、下鼻甲介粘膜下骨切除術、副鼻腔拡大手術(前頭洞手術:Draf type3など)、内視鏡下後鼻神経切断術、内視鏡下涙嚢鼻腔吻合術、外切開を併用した副鼻腔手術なども幅広く行われている。鼻副鼻腔乳頭腫やその他の良性腫瘍に対しては可能な限り内視鏡を用いた低侵襲の治療を心がけており、 近年その適応は技術の進歩とともに拡大してきている。悪性腫瘍などの症例も、近年は低侵襲をめざし、腫瘍の専門チームや脳神経外科と共同で内視鏡での摘出も行われている。

 

対象となる疾患

慢性副鼻腔炎、副鼻腔真菌症などの炎症性疾患、好酸球性副鼻腔炎などのアレルギー疾患、嗅覚障害、術後性副鼻腔嚢胞、鼻副鼻腔乳頭腫、血管腫などの良性腫瘍、アレルギー性鼻炎、鼻中隔彎曲症、下鼻甲介肥大症、血管運動性鼻炎、老人性鼻漏、オスラー病等による難治性の鼻出血、吹き抜け骨折や前鼻孔狭窄等の外傷性疾患、先天性の鼻副鼻腔疾患(先天性後鼻孔閉鎖等)、鼻涙管閉鎖症等などの鼻涙管異常など。

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鼻チーム

嗅覚班

team4-2においがしなくなった、においがくさく感じる、食事が味気なく感じる、このような訴えで耳鼻咽喉科を受診する方が多くおります。病気をなおすには、正常(嗅覚生理)を理解し、検査によって何が異常なのかを明らかにし、適切な治療法を選択することが大切です。嗅覚班で行っている研究は、最終的に人での治療法や新たな検査法の開発に結びつけることを目標にしています。

 

 

1)嗅神経障害後の再生過程に及ぼす因子の検討 (担当 岩村、金谷、菊田、近藤、坂本)

team4-3png生涯にわたり再生を繰り返す嗅細胞は、その分裂、分化、成熟過程が様々な因子によって影響を受けます。特に、加齢、嗅覚入力、カロリー制限、糖尿病といった病態や因子によって嗅上皮の細胞動態がどのように影響を受けるのかをマウスを使って、主に免疫組織学的手法を駆使して研究しています。嗅覚障害患者に対する新たな治療法の開発が期待できます。

 

2アリナミンテストの結果に対する病態に基づいた解釈の検討 (担当 菊田、松本、坂本)

team4-4png本邦で最も頻用されているアリナミンテストをマウスで再現し、嗅細胞応答を記録することに成功しています。この手法によって、アリナミンテストの意義の解明が期待できます。

 

 

 

アレルギー班

1)鼻腔における神経制御について(担当 西、近藤)

鼻の過敏症、本態性鼻炎、鼻アレルギーなどにおける神経制御の果たす役割を研究しています。特に、後鼻神経切断術のモデル動物を作成し、鼻汁の分泌や鼻アレルギーにおける神経制御の研究を行っています。今後、鼻腔における神経制御機構についての解明が期待できます。

 

2)好酸球性副鼻腔炎に対する鼻内内視鏡手術検体を用いた研究 (担当 籠谷、馬場、平野、近藤)

Flow cytometryを用いて各サンプルの鼻茸中および末梢血中での形質細胞様樹状細胞,好酸球、T 細胞, B 細胞,肥満細胞, 好塩基球および自然リンパ球の数と活性化状態を解析し、好酸球性炎症の起点となる細胞の同定を試みています。好酸球性副鼻腔炎における免疫細胞の観点からの病態生理の解明が期待できます。

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