研究紹介

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硼素(ほうそ)中性子補足療法について

放射線治療は、同一部位に何度も繰り返し行うことができません。放射線治療により正常脳細胞も放射線の影響を受けるからです。従って、脳腫瘍の手術後の初期治療としてどのような放射線治療を選ぶかは、大変重要です。通常の分割放射線治療は、正常細胞より腫瘍細胞の方が放射線に弱いことを利用して腫瘍の治療を行う方法です。脳から生じた腫瘍の細胞は脳組織に混じって存在するので、分割放射線治療の場合、照射範囲内の脳は腫瘍と同じ放射線量を受けます。東京大学脳神経外科では、放射線治療法の選択肢の1つとして、硼素中性子捕捉療法を臨床研究として実施しています。この治療法は、硼素化合物を点滴で投与した上で、腫瘍のある部位に熱外中性子という特殊な放射線を照射すると、硼素化合物を取り込んだ細胞のみが反応して死滅することを利用します。硼素化合物は、正常細胞に比べて腫瘍細胞にずっとよく取り込まれるので、理論的には、腫瘍細胞を選択的に破壊することができます。また、熱外中性子の照射は一回で済みます。ただし、全ての脳腫瘍に適用できる治療法ではありません。まず、硼素化合物をよく取り込む腫瘍であることが必要で、これはPET検査で調べることができます。また、熱外中性子が脳の深部まで届かないので、脳の表面に比較的近い腫瘍でなければなりません。熱外中性子の照射は、医療利用可能な原子炉で行う必要があり、茨城県東海村の日本原子力研究開発機構施設で行います。硼素化合物の投与やその照射前後の検査のために、照射施設近くの病院で1週間程度の入院が必要です。硼素中性子補足療法のあと、通常の分割放射線治療を追加することがあります。この治療は東大病院の倫理委員会の審査を受け承認されています。

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