東京大学医学部脳神経外科

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研究紹介

高齢者ブレインバンクへの資料ご提供にご協力いただいた方のご遺族の方々へ

この研究は、頭蓋内主幹動脈狭窄の詳細な発症メカニズムを解明することを目的としています。頭蓋内主幹動脈狭窄病理解剖とは虚血性脳卒中の主要な原因の一つとして重要ですが、RNF213という遺伝子の中の一種の変異(c.14576G>A, p.R4859K, rs112735431)が頭蓋内主幹動脈狭窄と強く関連することが近年明らかになってまいりました。そこで本研究では、頭蓋内主幹動脈の病理組織学的所見とRNF213遺伝子変異との関連を解析することで、頭蓋内主幹動脈狭窄の発症メカニズムにおけるRNF213遺伝子変異の影響を詳細に検討いたします。この研究において、剖検により採取され高齢者ブレインバンクに保存された試料を使用し解析を行わせていただきます。

研究課題

RNF213変異を有する頭蓋内動脈狭窄の病理学的解析(2018152G)

研究機関名および本学の研究責任者氏名

この研究が行われる研究機関と研究責任者は次に示すとおりです。
研究機関:東京大学大学院医学系研究科脳神経医学分野脳神経外科学研究室
研究責任者:斉藤 延人
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学分野脳神経外科 教授
担当業務:研究統括・データ解析

共同研究機関

<凍結試料からのDNA抽出・ゲノムシーケンス>
東京大学大学院医学系研究科脳神経医学分野神経内科学研究室

<サンプル収集>
東京都健康長寿医療センター・高齢者ブレインバンク

<病理学的解析>
東京都健康長寿医療センター病理診断科

将来的にさらに共同研究を行う研究機関や研究責任者が追加される可能性があります。

研究期間

研究期間はヒトゲノム・遺伝子解析研究倫理審査委員会承認後から5年間(2023年11月30日まで)を予定しております。研究期間は、必要に応じて延長することがあります。

対象となる方

東京都健康長寿医療センターにて死後病理解剖をお受けになり、高齢者ブレインバンクへの資料ご提供に対しご同意いただいた方を解析の対象といたします。

研究の目的

この研究は、頭蓋内主幹動脈狭窄の発症に関するメカニズム解明のために、各個人が持っている遺伝子変異が頭蓋内主幹動脈病理組織所見と関係するかどうかを、ご提供いただいた試料から得られた遺伝子および臓器組織を調べることにより明らかにしようとするものです。

研究の方法

高齢者ブレインバンクへご登録いただいた方より得られたDNA試料、臓器試料を使用します。
「DNA」は、A、T、G、Cという四つの印の連続した鎖です。印は、一つの細胞の中で約30億個あり、その印がいくつかつながって遺伝子を司っています。このつながりが遺伝子です。一つの細胞の中には2万から3万個の遺伝子が散らばって存在しています。この中の一つにRNF213という遺伝子があります。この遺伝子を詳しく解析することで、各個人が持っているRNF213遺伝子変異を調べることができます。
臓器試料に関しましては、剖検により得られた組織のうち、脳組織、特に脳へ血流を送る太い血管である頭蓋内主幹動脈を調べます。頭蓋内主幹動脈を顕微鏡的に観察することにより、頭蓋内主幹動脈に生じている組織学的な変化を詳細に観察します。これにより、患者さん毎の頭蓋内主幹動脈の組織学的特徴を得ることができます。
以上のようにしてRNF213遺伝子変異と頭蓋内主幹動脈の病理組織学的所見が得られましたら、これらを合わせて検討することにより、頭蓋内主幹動脈狭窄に生じている変化とRNF213遺伝子変異がどのように関連しているのかを検討することができます。このようにして、頭蓋内主幹動脈の発症メカニズムを明らかにしていきます。
なお、DNAの抽出作業などに伴う個人情報の取り扱いに関しては下記の通り十分注意いたします。
  また、先に記載した本研究目的達成のため、前述の共同研究施設との共同研究を行うため、我々が採取した腫瘍や血液試料と、それに付随する個人が特定できない範囲での上記臨床情報を、解析実施機関へ送付することがあります。提供される試料や情報・データ等は、セキュリティーの確保された電子データとして、あるいは専門業者による郵送などにて各施設間にて授受を行います。

個人情報の保護

  この研究に関わって収集される試料や情報・データ等は、外部に漏えいすることのないよう、慎重に取り扱う必要があります。
  あなたの人体試料や情報・データ等は、患者固有の個人標識番号をつけて連結可能匿名化し、全ての解析はこの番号のみを使って行います。東京大学医学部脳神経外科及び、一部は上記共同研究施設〈解析担当施設〉に送られ解析・保存されますが、匿名化できる個人情報については、解析や送付前に氏名・住所・生年月日等の個人情報を削り、代わりに新しく符号をつけ、どなたのものか分からないようにした上で、当研究室において宮脇哲(管理責任者)が、個人情報管理担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、及び鍵のかかるロッカーで厳重に保管し、外部からのアクセスを不可能とします。ただし、必要な場合には、当研究室においてこの符号を元の氏名等に戻す操作を行い、結果をご遺族へお知らせすることもできます。
また、ゲノムデータやゲノム情報については、上述の共同研究機関〈解析担当〉に送られ解析・保存されますが、解析担当施設の管理責任者により、個人情報管理担当者のみ使用できるパスワードロックをかけたパソコン、鍵のかかるロッカー等で厳重に保管されます。
研究結果は、個人が特定出来ない形式(必要な場合にのみ、年齢、性別のみを記載し、個人を特定する恐れのあるイニシアル等は用いない)で学会発表や学術雑誌及びデータベース上等で公表します。またゲノムデータの公開を行う場合、自由なアクセスが可能な公共データベースへの登録は、体細胞変異情報に限定、または胚細胞の配列情報については個人が特定されないような集団での頻度などの集計された形とします。個人の胚細胞の配列情報に関しては研究者を含めた協議を行い許可されたものだけに限定的な公開を行います。この研究はどの時点で同意を撤回することも自由ですが、一度研究の成果、遺伝子の情報を公開してしまいますと、その部分については取り消しが非常に難しくなることをご理解ください。また公表されると、その情報が別の研究者によって別の観点から解析される可能性があることもご承知いただきたいと思います。しかし研究成果、遺伝子情報を公表することにより、国内外の研究者が情報を共有でき、あなたの病気の解明、治療法の開発がより早く進むと考えられます。
収集したデータは厳重な管理のもと、研究終了後5年間保存されます。しかし、将来の研究のための貴重な資源として、許可を得て、研究終了後も引き続き保管させて頂くこともあります。符号により誰の人体試料かが分からないようにした上で、使い切られるまで保管します。なお、将来、当該資料(試料)等を新たな研究に用いる場合は、改めて東京大学倫理委員会の承認を受けた上で用います。
既に匿名化されたデータベースを用い研究を行うため、原則として遺伝子解析の結果はご家族を含めどなたにも開示いたしません。
研究データを統計データとしてまとめたものについてはお問い合わせがあれば開示いたしますので下記までご連絡ください。ご不明な点がありましたら主治医または研究事務局へお尋ねください。

  • 本研究に関する費用は、文部科学省科学研究補助金(基盤研究(B))から支出されています。
  • 本研究に関して、開示すべき利益相反関係はありません。
  • 本研究は、東京大学医学部利益相反アドバイザリー機関に報告し、利益相反マネジメントを適正に行っています。
  • 尚、あなたへの謝金はございません。

2019年1月

問い合わせ先

東京大学大学院医学系研究科脳神経医学分野脳神経外科
助教 宮脇 哲
住所:東京都文京区本郷7-3-1
電話:03-5800-8853(内線 37595)  FAX:03-5800-8655
Eメールでのお問い合わせ:miyawaki-tky@umin.ac.jp

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